Shadowverseってそんなにクソゲーか?

最近よくやっているゲームがある。

それがShadowverse(通称シャドバ)というゲーム。

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公式サイトGAMEGUIDEより引用



↑公式サイトより引用

 

いわゆるDCG(デジタルカードゲーム)というもので、数ヶ月前に二周年を迎えた人気ゲームだ。

プレイヤーからは、本格カードバトル(笑)とかエロメンコとか揶揄され、よくクソゲーと評されることが多い(気がする)。

ただ私は(クソゲーと呼ばれる所以は確かに認めるが)よく出来たゲームだと思うのでレビューして見たいと思う。今更かよ

 

どんなゲーム?

Shadowverseはスマートフォンでプレイできる、対戦型オンラインTCGです。
ユーザーはそれぞれが用意したデッキを用い、別のユーザーと1対1でバトルします。
バトルではユーザーは交互にターンを行い、フォロワーを召喚して攻撃したり、スペルやアミュレットでフォロワーを支援したりします。
対戦相手の体力を0にすれば勝利です。
公式ホームページGAMEGUIDEより

遊戯王デュエルマスターズなどのTCG(トレーディングカードゲームの略)のように、『カードを集めてデッキを作り、誰かと対戦する』これをスマホで気軽にできるのがDCGと呼ばれるもので、Shadowverseもその内の一つだ。
2016年6月17日にサービス開始し、つい最近2000万ダウンロードを達成したらしい

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こんなかっこいいおじさんのスリーブが手に入るキャンペーンがあった

 本記事では詳細なルールは説明しない代わりに、極力専門用語は使わず、知らない人にも分かる記事にするよう心がける。

 

評価点:圧倒的な敷居の低さ

このゲームの長所をあげるとすれば、とにかく敷居が低いことが挙げられる。これでもかと言わんばかりに新規プレイヤーが遊びやすいような工夫が施されている。

優れたビジュアル

まずビジュアル面が目を引く。カードのイラストは開発元のCygamesが以前から提供していたゲーム『神撃のバハムート』のイラストを流用活用しているため、美しいかっこいいカワイイエロいといったイラストを網羅している。私は『神撃のバハムート』は未プレイなので詳しくは分からないが、調べてみると以前からクオリティの高いイラストの数々が高い評価を受けていたらしい。またカードイラストだけでなくインターフェイスのデザインも統一感のある仕上がりで非常に美しい。

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↑美麗なイラスト(と鬼畜な性能)のカードたち。登場時には専用演出もある。

軽快な動作

プレイ感もいい。タップに対するレスポンスがよく、ロード以外の妙な間は(端末の性能にも依るが)殆どないといってもいい。インターフェイスも洗練されており、デッキを組んで対戦するという基本的な流れを妨げるような手間はない。スピーディーなゲーム体験を与えてくれる。

無課金に優しい

 新しいカードを手に入れるためには、ゲーム内通貨やチケットを使ってカードパックを購入する必要がある。このゲームではそれらを無課金でもかなりの量獲得できる。ログインボーナス・デイリーミッションといった基本的なものに加え、ゲーム内でのミッション達成報酬や不定期に開催されるイベントの報酬などでも手に入る。これらを上手く活用することで、無課金でもかなりの量・質のカードを手に入れることができる。

手厚いサポートの輪

国産DCGの上にユーザーも多いため、初心者が仮に行き詰まったとしても、それにアドバイス出来る人・サイト・コミュニティが多いのも特徴だ。カード資産がない序盤でも組めるデッキ等を紹介してくれているサイトも多いので調べればすぐにある程度は戦えるようになる。とりあえずGamewith見ておけばなんとかなる。

 

そしてここまで挙げてきた評価点が積み重なり、次の評価点へとつながる。それが、

 

ユーザーが多い!!!

TCG・DCG双方に共通するのが、ユーザー数は多いほうがいいということ。私がTCGをやっていた頃はデッキが出来ても対戦相手がいないために、一人で2つのデッキを使って一人対戦をよくやっていたものだ。俗にいう「友だちは別売り」というヤツである。DCGはこの欠点をオンラインで遊べることで克服している。ユーザー数の多いDCGの特権が、いつでも対戦相手が見つかること。Shadowverseでは本当にいつでも対戦相手がいる。それが深夜だろうと平日の真っ昼間だろうと。

 

と、このように評価出来る点は多い。しかし以下のような不満点が残る。

 

不満点:バランスが雑

※そもそものShadowverseにとっての良いバランスとは何かについてはまた別の記事で取り上げたい。

狂ったパワーカードが度々生まれる

カードゲームである以上、パワーカード(強いカード)のインフレからは逃れることが出来ない。それは重々承知しているが、それにしてもおかしなカードが生まれてしまうことがある。

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その代表例がこのヘクター。詳しい効果は説明すると大変なので端的に言えば、

  • 劣勢の時
  • 拮抗している時
  • 優勢の時

に使うと強いカード。つまりいつ使っても強い。公式大会では、「ヘクターを出されてピンチだ、さあどうなる?」と実況が煽ったら相手もヘクターを使って解決という興ざめな場面が生じたらしい。

最近はここまで狂ったカードは流石に無いが、それでも十分すぎるくらい強いカードたちが生まれている。

狂ったパワーカード同士でバランスを取ろうとしている

 狂ったパワーカードが生まれてしまうことは往々にしてよくあることだ。TCGの歴史を遡ってみればその例は山ほどある。だがその殆どが事故のように生まれてしまったものが多いのに対して、Shadowverseの場合は意図的なことが多いように見える。

例えば先程のヘクターはテコ入れのために作ったと開発者インタビューで語られている。*1しかしこのヘクターを使ったデッキでも同じ時期に他のパワーカードの数々が生まれ、一強とはならなかった。裏を返せば、ヘクターと肩を並べるほどのパワーカードを生み出してバランスを取りに行ったともいえる。

実際shadowverseでは往々にして
狂ったパワーカードの登場 → ナーフ(弱体化調整) → また新たなパワーカード
という流れが非常に多い。飽きないゲーム作りに寄与しているといった見方もあるが、私は少々大味すぎないかと思えて不満だ。

競技的な遊び方以外がしにくい

不特定多数の人間と遊べる負の側面でもあるが、競技的な遊び方すなわち勝利に直結した遊び方以外がしにくい。無論やろうと思えば出来るのだが…。私が言いたいことは、下の天才ブロガーによる名文を読むほうがわかりやすいと思います(媚を売る)

ringoce.hatenablog.jp

なお同じDCGのHearthStoneというゲームには酒場という特殊ルールが採用されたお遊びのようなモードがあり、Shadowverseにも似たようなモードがあれば…と日々妄想している。

コミュニティが荒れ気味

[狂ったパワーカードでバランスを取ろうとしていること]と[競技志向の強い遊び方しかないこと]が重なったことで、相乗効果としてパワーカードへの強い憎悪のようなものがコミュニティに散見される。自分にとってバランスが悪いと感じると、パワーカードを標的として糾弾する、という空気感が醸成されているため、不快な思いをすることもあった。

萌え萌え坊主めくり

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投票候補には男も獣も化け物も(⌒,_ゝ⌒)もいた

これは二周年記念の人気投票の結果だ。尽く女性キャラしか上位にいないことから萌え萌え坊主めくりと揶揄されたりした。個人的にイケメンキャラやおっさんキャラ獣キャラがいてもいい(通称:硬派バース)と思ったので不満。一周年記念の方では男もいたのに…。こういうバランスも雑

 

総評:ビジュアル100点の深入り非推奨なDCG

ビジュアル面について、そしてシステム周りについてはほとんど不満はない。強いていえばもっとカジュアルに遊べるモードや仕組みをシステム面で組み込んで欲しいといったところか。

反面パワーカードを作りすぎというところではやはり不満がある。特に最近のカードは軒並みこれでもかと効果を盛りすぎなので、もっとシンプルにして欲しいと思う。そうでないとせっかくの敷居の低さが台無しになり、プレイヤーの減少、そして待つのは破滅だ。

まとめれば、バランス面で不満はあるものの、それ以外は高品質にまとまったDCGということだ。気軽に始められて、カードは集めやすくて操作性もいい。しかし深く深くやり込もうとすればバランスの波に嫌が応でも揉まれることになる。

クソゲーと思ったら辞めろ

最後に、プレイヤー諸氏に言いたいことは、このゲームをクソゲーだと思ったら、クソだと騒ぐ前にそこでゲームを辞めるべきだということだ。確かにクソゲーな要素も十分備えているが、クソだとプレイヤーが言い続けてから一年以上が経過しても根本的な方針はあまり変わっていない。相変わらず狂ったパワーカードは出るし、バランス調整も雑だ。

だがそれをクソだと思ったあなたがプレイし続ける限り、開発者としてはあなたは楽しませるプレイヤーであり、あなたがプレイし続けていることは楽しませた実績とカウントされるのだ。

私は今のところ不満こそあれど楽しんでプレイしているクソゲーだと叫びたい時もあるが、楽しい時間のほうが長いのでネットに怨嗟のような書き込みはしていないし、これからもしたくない。ただもしもそうなったら辞めることにしている。(実際過去に一回辞めた)

Shadowverseは間違いなくよく出来た面白いDCGだ。そしてもしもあなたShadowverseを楽しめなくなる時がやって来たら、それは仕方ないことだし実際そうなっても何もおかしなことはない。ただ、叶うことならば、あなたが長く長く楽しめることを祈るばかりだ。